エンジニアが「辞めたい」と思ったときにすべき1つのこと
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結論:「辞めたい理由」を言語化できないまま転職すると、また失敗する
「辞めたい」という気持ちは、本当に信号です。でもその理由をしっかり言語化できていないまま転職や部署移動をすると、新しい環境でも同じ問題の繰り返しになります。
実は、多くのエンジニアが陥っている罠が、ここにあります。
「今の会社が合わない」→ 転職する → 「あれ、新しい会社でも同じようにストレスを感じている」
これは、転職先が悪かった、ではなく「辞めたい本当の理由を理解していなかった」ということです。
上司が嫌だから辞める → 転職先でも「新しい上司と合わない」になる。 給料が低いから辞める → 転職して給料は上がった、でも「やりたいことができていない」に気づく。 やりたい業務ができないから辞める → 転職先では「確かにやりたい業務ができるが、人間関係の方が問題だ」に気づく。
この繰り返しを避けるために、最初にやるべきことがあります。それが「理由の言語化」です。
この記事を読んでいるあなたが「辞めたい」と思っているなら、まずここから始めてください。
「辞めたい」と思う理由を、徹底的に言語化する
なぜ、理由の言語化が必須なのか
正社員人生で「辞めたい」という気持ちになったのは、正直に言うと一度や二度ではありませんでした。でも、実際に動くまでに時間がかかった理由は、この理由がわかっていなかったからです。
「辞めたい」という感情は、複数の要因が混ざっていることがほとんどです。そして、複数の要因が混ざったまま行動すると、転職先または部署異動先で「あ、これじゃない」という経験をします。
たとえば、あなたが「給料が低い」「上司が嫌」「残業が多い」という3つの理由で転職を決めたとします。
新しい企業で「給料は上がりました」「上司は優しいです」「残業も少ないです」と全て改善されても、その後「あ、でも人間関係が難しい」「やりたい業務ができていない」という新しい不満が出てくることがあります。
なぜなら「本当の理由は、実は別のところにあった」からです。
理由を言語化するための3つの質問
気持ちが高ぶっているときは、判断が甘くなります。ここで3つの質問に答えてください。そしてその答えを、できれば紙に書いて、整理してください。
Q1:「辞めたい」という気持ちが、ここ1ヶ月で強くなってきたのか?それとも、数ヶ月前からずっと続いているのか?
一度の大きなストレスで「辞めたい」と思うことと、じわじわと消耗して「辞めたい」と思うことでは、対策が違います。
ですが、ここで大事なのは「時期」ではなく「パターン」です。
「毎週月曜の朝だけ辞めたいと思う」のか、「365日、常に辞めたいと思っている」のか、その違いが重要です。
前者は「仕事の内容」が理由かもしれません。後者は「職場の根本的な問題」または「あなた自身のキャリアの方向性」が問題かもしれません。
Q2:この会社に残ったまま、改善できることは本当にないのか?
部署異動、配置転換、リモートワークへの切り替え。あるいは「上司に相談する」「給料交渉をしてみる」「プロジェクトを変更してもらう」
実は会社に言わずに我慢していることはないでしょうか。
ここで重要なのは「言ってみた」という事実が必要ということです。言わずに「改善できない」と判定することは、間違いです。
Q3:もし「部署異動」で解決するのか、「転職」でしか解決しないのか、その違いを明確に説明できるか?
「辞めたい理由が上司との関係なら、部署異動で解決する可能性がある」 「辞めたい理由が会社の方針との不一致なら、転職でしか解決しない」 「辞めたい理由が『自分のキャリアの方向性』なら、転職先の企業選びが極めて重要」
この区別ができていない人が「転職後に後悔する」という悪循環に陥ります。
「理由を言語化しないまま行動した人の失敗事例」
失敗事例1:「上司が嫌だから」で辞めた場合
「上司のマネジメントが厳しい」という理由で転職を決めた。
新しい企業に入ったら「上司は優しくて、良い人です」という環境になった。
ところが、3ヶ月経つと「あれ、でもやりたい業務ができていない」「技術的な成長が感じられない」という不満が出てきた。
結局、また辞めたいと思い始める。
原因:「本当の理由は、実は『やりたい業務ができていない』ことだったのに、『上司が嫌』という表面的な理由だけで転職を決めた」
失敗事例2:「残業が多いから」で部署異動を申し出た場合
「残業が多い」という理由で部署異動を申し出た。
新しい部署は「確かに残業は少ないです」という環境になった。
ところが、給料が下がり、やりがいも感じられず、1年後「前の部署の方が充実していた」という後悔の念に襲われた。
原因:「『残業が多い』という表面的な問題を解決することに執着し、『本当にやりたい業務は何か』『キャリアの方向性はどうか』という根本的な問いを放置した」
失敗事例3:「給料が低いから」で急いて転職した場合
「給料が低い」という理由で急いて転職を決めた。
新しい企業では給料が50万から65万に上がった。
ですが、入ってみると「実は業務の責任が非常に重く、常にプレッシャーの中で働いている」「人間関係も複雑で、毎日がストレス」という状況になった。
結果として「給料が上がったのに、生活の質は下がった」という本末転倒の状況に陥った。
原因:「給料という単一の指標だけで判定し、『本当に大事なことは何か』『どういう働き方をしたいのか』という根本的な問いをスキップした」
理由が明確になったら、初めて情報収集を始める
「辞めたい理由」を言語化できたら、その時点で初めて「情報収集」という行動に移ります。
「辞めたい」と思ったら、その日から優先すべきことは行動ではなく「理由の言語化」です。
転職市場を知る
今、あなたのスキルと経験はどのくらいの評価を受けるのか。転職サイトに登録して、自分の職務経歴書で実際にどんな企業から声が来るのか、見てください。
想像よりも多く来る人もいれば、意外と来ない人もいます。でも、ここから始まります。
実際に面接を受ける必要はありません。ただ、現在地を知るだけです。
退職の手続きを知る
「辞めたい」と思った時点で、退職にかかる期間や手続きを知っておくことは重要です。
- 退職届を出してから、どのくらいの期間を要するのか(通常2週間から1ヶ月)
- 有給休暇はどのくらい残っているのか
- 退職金の計算方法
この情報を知っているだけで、心の落ち着きが違います。
誰に相談すべきか〜同僚・先輩への相談は実は危険
転職を考え始めたときに、最初に頭に浮かぶのは「同僚に相談しよう」「先輩に聞いてみよう」かもしれません。ですが、ちょっと待ってください。その相談は、あなたが思っている以上に危険な可能性があります。
同僚や先輩に相談してはいけない理由
内緒にできないと思ったほうがいい
同僚や先輩に「転職を考えている」と相談した情報は、ほぼ確実に拡散します。「内緒にしてね」と言われても、その情報は以下のように伝わります。
- 「〇〇さんが転職を考えているらしいよ」
- その先輩から上司へ
- その上司から人事へ
- 最終的に、あなたの評価に影響する
人間は無意識に「ためになる情報」「話題性のある情報」を他の人に伝えたくなるものです。相手がそのつもりがなくても、拡散していきます。一度拡散した情報は、取り戻すことができません。
相談相手の利益が、あなたの利益と異なる
同僚や先輩は、あなたのキャリアを第一に考えているわけではありません。無意識のうちに:
- 「この人が辞めると、チーム編成が変わるから困る」
- 「この人が評価を上げて転職すると、相対的に自分の評価が下がる」
- 「この人に辞められると、自分の仕事がふえる」
こういった心理が働きます。その結果、相談相手が与えるアドバイスは、あなたにとって最適ではない可能性があります。
では、本当に相談すべき人は?
本当に信頼できる人〜ただし、会社の外がいい
本当に信頼できる人に相談するのは、転職活動に必要です。でも、その人は「同じ会社の中」にはいない方が安全です。
理想的なのは:
- 会社を辞めた元同僚
- プライベートで深い付き合いのある友人
- 家族(ただし、サポートしてくれる人に限る)
こういった「会社の外」で、なおかつ「本当に自分のことを考えてくれる人」です。
転職エージェントを活用する
転職エージェントは、あなたのキャリアを真摯に考えるプロです。なぜなら、彼らの利益は「あなたが良い転職をすること」に直結するから。あなたが短期間で辞めると、エージェントの評判が落ちます。あなたが満足できる企業に転職すると、エージェント側にも評価がつきます。利害が一致しているため、偏りのないアドバイスをくれる可能性が高いです。また、エージェントは守秘義務があるため、あなたの転職活動について外部に漏らすことはありません。
第三者の友人〜フラットな視点が貴重
会社の外の友人、本当に自分のことを考えてくれる人に相談するのは、非常に有効です。理由は、彼らが「あなたの状況を客観的に判断できる」から。同僚や先輩とは違い、あなたとの関係が「利害」に左右されないため、真摯なアドバイスが期待できます。
「辞めたい」は、チャンスの信号。ただし「理由の言語化」が大前提
最後に、これだけは言いたいです。
会社を辞めるのは、負けじゃありません。転職は、人生の大事な選択肢の一つです。
でも、その選択肢を活かすかどうかは、「理由をどこまで言語化したか」で決まります。
「辞めたい」と思った自分を責める必要はない。その気持ちを大事にしながら、冷静に「本当は何が理由なのか」を問うてください。
上司が嫌なのか。給料が低いのか。やりたい業務ができていないのか。人間関係が辛いのか。会社の方針に共感できないのか。キャリアの方向性に不安があるのか。
その理由によって「対策」は全く変わります。
- 上司が理由なら:部署異動で解決する可能性が高い
- 給料が理由なら:交渉か転職か、戦略的に検討できる
- やりたい業務が理由なら:新しい企業選びが極めて重要
- 人間関係が理由なら:人間関係はどこにでもあることを理解した上で対策する
- 会社の方針が理由なら:転職先の企業文化をしっかり見極める必要がある
- キャリアの方向性が理由なら:長期的な視点でキャリアを設計する必要がある
情報を集めて、選択肢を増やして、自分の人生に責任を持つ。それはあなた自身の決定権です。
でも、その決定権を活かすためには「理由の言語化」が必須です。
辞めるなら辞める。残るなら残る。部署を移るなら移る。でも、その決断は「理由の言語化」を通してのみ正当化されます。
理由をスキップして行動すれば、新しい環境でも同じ失敗を繰り返すだけです。
だから:「辞めたいと思ったあなたへ。まず最初にやることは、理由の言語化です。」
その上で初めて、次のステップへ進んでください。
次の記事で、「退職を決めたときの具体的なステップ」を書きます。
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